トリコロールたちとの日々

On vit ensemble, on meurt ensemble.(レ・ブルーと共に生き、共に死ぬ女のブログ)自分で見返す為に書いてる

デシャン政権発足10年、厳しい夏

2020-2021ネーションズリーグチャンピオンとして臨んだ6月のネーションズリーググループリーグ。

 

まさかの4戦勝ちなしで最下位に位置する結果となりました…

確かにシーズンの疲れが溜まり、この大会の意義も微妙なところではあるのでモチベーションが上がらないのは分かります。それに相手はクロアチアデンマークオーストリア。侮れないチームであるのはもちろん、フランスに対して一杯食わせてやろうという気概があるチームを相手にするのは大変です。

 

でも問題なのは結果ではなく、デシャンの意図が見えない選手起用と、新しく使われた選手たちがそれほどインパクトを与えられなかったこと、そしてEURO後のこの1年間、引いた相手に対しての勝率が低いことです。f:id:izumeeland:20220907220825j:image

 

デンマーク戦セネガル代表監督の経験もある名参謀ギー・ステファンがデシャンの代わりに指揮を執りましたが(身内の不幸)残念ながらカウンターで逆転負け。W杯で戦う相手なだけにむしろ負けといていいのかもしれませんが、スタッド・ドゥ・フランスに来た観客の中には初めて生で代表の試合を見る方もいるでしょうからあまり惨めな試合は見せてほしくないですね…

 

続くクロアチアとの試合は悪くなかったですがPKを与えてしまい勝ちきれず、オーストリア戦も決定機を決められず。最後のサンドニでのクロアチアとのリターンマッチでは4年間で5回目の対戦で遂に敗北。前半5分に与えたPKが決勝点に。試合後大ブーイングが飛び交う結果となりました。

 

元々デシャン政権の10年間ではリアクションサッカーで結果を残してきていますが、ボール支配率の高い試合では負けたり勝ちきれない試合が多いです。10年前のCKからのカウンターで日本が勝利した試合も圧倒的にフランスが試合を支配していたのですが、決定的なシーンはあまり多くは無かったですね。f:id:izumeeland:20220907223256j:image写真出典:スポニチ

 

あのときのフランスはかなり人材不足でしたから仕方ないですが。結局その後台頭した才能ある若手の個の力で世界王者にはなりましたが、ジネディーヌ・ジダン引退以降、「どんな相手でも変えることのないチームのスタイル」みたいなものがないという本質的な問題は改善されていないのかもしれません。(とはいえスタイルがあっても柔軟性がないと困るし、相手を遊ばせるスタイルで世界王者になったけど)

ヴァラン、カンテ、ポグバ、グリーズマンというフランスのセンターラインを支えてきた彼らもいよいよキャリアの終盤。グリーズマン以外は怪我がちですし、(ポグバの怪我についてはまた次回)カタールワールドカップはフランス代表の歴史の中でも大きな山場、もしくは転換点になりそうです。

 

2013年11月にはもう終わると思われていたデシャン政権。あの奇跡のウクライナ戦により今日まで10年以上続いていますが、あの試合前にはここまで続くとは到底思えなかったです。いろいろ批判してきたのはW杯連覇を成し遂げてほしい一心からなので、ぜひデシャンには9月の2試合を実りあるものにしてほしいです。