2006年のジダンの引退まで、フランスは約10年ジダンのチームであり彼を中心に攻撃を組み立てることが戦術でした。ジャック・サンティニ時代にはジダンの負担を軽減しようとしましたが、逆に個々が連動できずバラバラになり上手くいかなくなる結果に。
そのジダンの引退後、ジダンの亡霊に苦しんだフランス。グルキュフという後継者になりえた逸材が輝いた時間はあまりにも短く、フランク・リベリーという世界最高のドリブラーもジダンのようにチーム全体を高みへ導く存在にはなれませんでした。
デシャンがフランス代表監督に就任したのは、そんなフランス代表の過渡期の真っ只中でした。司令塔、パサータイプの選手はやはり居なくて、最初のころ招集していた中盤の選手はゴナロン、マヴバ、キャプー、シャントーム、ムサ・シソコ、アブー・ディアビ、キャバイェ、マテュイディなどみんな守備的な選手でした。
その後ポグバが出てきて、グルニエという逸材が出てきたり、ナスリが呼び戻されたりされましたが、結局フランスだけでなく現在までサッカー界にはジダン、リケルメのようないわゆる典型的なトップ下、トレクアルティスタ、は現れていません。
今大会ではポグバの代わりにグリーズマンが同じような役割をしていますが、彼に代わるような選手をデシャンは見つけられず、(フェキルは無視)かなり不安要素になっています。
その不安が的中したチュニジア戦。グループリーグ突破は決まっていたし出場機会が少ない選手を出してあげるのは正解だと思うけど、あまりにもびっくりな中盤の構成。デシャンはEURO以降大抵は前日の練習とか事前の報道通りのスタメンだったりしたので、最後まで定まってなかったんだろうなと予想。
チュアメニを底として前に3人並べる形ゲンドゥージ、ヴェレトゥは前線に繋げる役を期待されましたがあまりいい働きができず、前線の2人が孤立。サポートがないので個人技で突破を図りますがさすがにきつかった。何のアイデアもないままサッカーをしてる印象で、前半からハズリに危ないシーンを作られる。14番のアイサ・ライドゥニとか他にもいい選手がたくさんいた。
特に改善されないまま時が過ぎ、ついに後半、フォファナがボールを奪われハズリに中央突破を許して失点。フォファナはすぐ追いかけなかったし、ヴァランも軽くかわされたし残念な失点。
そのせいでエンバペ、ラビオ、グリーズマン、デンベレの主力達を投入せざるを得ない状況に。デシャンのターンオーバーは失敗に終わりました。そして試合終了間際グリーズマンが同点に追いつくゴールを決めて劇的な形で同点に追いついた!と思いました。ただ中継終了間際に審判がVAR室と交信している映像が映ったので嫌な予感はありました。結局その後のハイライト番組でVAR判定の末ゴールが取り消されたことが判明…
新しいオフサイド解釈によるものなのかコロ・ムアニのファールなのか。試合が再開された後にビデオチェックしていいのか。そんなのどうでもよくてフランスが敗北に値したのは間違いありません。ハズリが代表引退するらしいけどまだできそうなので残念。リーグアンでこれからも活躍してほしいですね。
最初から最後まで練習試合みたいな雰囲気だったので、本当に残念な試合でした。チュニジアも、もっと点取ろうっていう気概はなく。次の大会ではレギュレーションが変わりグループリーグは3チームで組まれ、各チーム2試合行い、ビリ以外の2チームが決勝トーナメント進出。なのでこういう消化試合が完全にとは言わなくても少なくなるのであれば、デメリットもあるけどメリットの方が大きいとても良い変化だと思います。
マンダンダ:5.5
ヴァラン:4.5
(サリバ5.5)
コナテ:6.5
ディサシ:6.0
カマヴィンガ:6.0
チュアメニ:6.5
Y・フォファナ:5.0
(グリーズマン:5.5)
ゲンドゥージ:5.0
(O・デンベレ:6.0)
ヴェレトゥ:4.5
(ラビオ5.5)
コマン:5.5
(エンバペ:6.0)
コロ・ムアニ:5.5
今大会はブラジル、アルゼンチンも1敗してるので切り替えて頑張ってほしい。
vive la france ,vive la république.