トリコロールたちとの日々

On vit ensemble, on meurt ensemble.(レ・ブルーと共に生き、共に死ぬ女のブログ)自分で見返す為に書いてる

EURO2022FINALとアラブの夢

待ち望んだ対戦

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フランスvsイングランドという夢の対決。両チームとも現在タレントの宝庫であり、この2チームとポルトガルを含めた3ヶ国が次のEURO2024の優勝候補になるでしょう。

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4年前にもこの両チームの対戦は決勝戦で実現する可能性がありましたが、イングランドクロアチアに逆転負け。4年越しで事実上の欧州頂上決戦が実現しました。EUROでベスト16敗退のフランスにとって、ビッグトーナメントのノックアウトラウンドでW杯優勝経験国と戦うのは、前回大会のウルグアイとの準々決勝以来。

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画像:Googleより

正直言ってレ・ブルーはかなり苦しみました。デシャン就任以来臨んだW杯、EUROの本大会で、90分を通してボール支配率、シュート数だけでなく、決定機の数など全てで劣勢を強いられたのは初めてな気がします。フランスがボール支配を譲るのはいつもの事ですが、それにしてもイングランドはすごくいいチームでした。

 

EUROのスイス戦は後半半ば以降の追いつかれた時間帯以外は、一応フランスが主導権を握ってました。(前半は回されてるだけだったけど)

4年前のアルゼンチン、ベルギー戦やクロアチア戦もボール支配率は譲りましたが、フランスの方が決定機が多かったです。今大会もほぼ同じような効率の良い、個々の能力の高さを活かしたカウンター主体のサッカーで勝ち上がって来ています。しかしイングランドはフランスのそれを打ち破っていてもおかしくないとても素晴らしいチームでした。何度も言うけど。

 

ケインの2度目のPKが決まっていたら、延長もしくはPKでかなり苦しい展開だったのは間違いありません。

それにしてもイングランド史ではアラン・シアラーに並ぶPKの名手、ハリー・ケインが外すとは、運が良かったです。

相当なプレッシャーと相手GKが普段のチームメイトである事、2度目のPKである事。やりづらい要素がたくさんありました。

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キリアンウスマンの両翼はこれまでの試合と比べるとかなり抑えられましたが、チュアメニのワンステップでの強烈なミドルシュートグリズーの献身的な働きとクロス、ジルーの決定力。毎試合失点しているとはいえ、世界最高峰のディフェンスライン、ベテランロリスの意地などで事実上の欧州頂上決戦を制しました。バイタルやペナルティエリアでのファールには今後も気をつけてほしいです。

 

デシャンの選手構成、実践しているサッカーの是非は置いといて、このチームがEUROの辛い敗退と大会前の停滞感を払拭できているのは、素晴らしい雰囲気を2014、2018、2022と3大会連続で創り出している、デシャンの力が大きいのは確かです。大会後の続投については正直反対ですが、素晴らしい選手であり、監督であるデシャンが3度目のワールドカップトロフィーを勝ち取る事を心から願っています。

 

イズップ紙採点 ちょっと厳しめ

ロリス:7.0  King of the match 

ヴァラン:6.0

ウパメカノ:6.0

クンデ:6.0

テオ・エルナンデス:5.5

チュアメニ:7.0 

ラビオ:6.0

グリーズマン:7.0

ウスマン:6.0

(コマン:6.0)

キリアン:6.0

ジルー:6.5

ムスリム、アラブ人の想いをのせたアトラスのライオン

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画像:Googleより

いまさらながら、なんでヴァイッドはあんなに頑固なんでしょうか。

今回のジイェシュのプレーぶりを見ていると、ハリルが彼に譲歩しなかった点は間違いだったと言われても仕方ありません。本当に残念な事です。

 

ロッコは守備の要サイスを中央に配置した5バック気味のフォーメーションでしたが、開始4分でグリーズマンの抜け出しから、あっさりテオに先制ゴールを決められてしまいます。

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ラビオウパの欠場は痛いですが、代わりのフォファナコナテが活躍。フォファナラビオほどのパスの技術はありませんが(それどころかまだ雑なところが目立つ)守備、ボール奪取、危機管理能力に関してはチュアメニにも負けてないですし、コナテは実況が「Merci Konaté」と言っていたくらいチームを救ってくれました。グループリーグでも素晴らしいプレーでしたから不安は無かったけど。

 

先制した事でフランスは精神的、体力的に楽にゲームを進めていきました。モロッコにボールを持たせて、彼らがスペインやポルトガル相手にやってきたサッカーをさせないようにしましたが、モロッコはそれでも素晴らしいプレーでフランスのゴールを何度か脅かしました。

 

でも結局はデンマーク戦以降で1番安心して観れた試合でしたし、疲労も必要最小限に抑えられたような試合でした。準決勝でこの試合ができるのはすごい。テュラムが左、キリアンが中央、コロ・ムアニが右という3トップが観れたのも私は嬉しかったですね。選手層の厚さを見せつけているようで。そしてキリアンのシュートのこぼれ球を押し込んだコロたんの追加点でモロッコの希望を砕きました。これで今大会初めてのクリーンシート。

試合後のジルーのキャリアスタート時のチームメイトであるレグラギとのハグは感動的。恐らくここで再会できたのは奇跡のような可能性だったと思う。間違いなくお互いのその後のキャリアでの努力が身を結んだ結果。

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イズップ紙採点 (主観的)

ロリス:6.5

ヴァラン:6.5

コナテ:7.0

クンデ:6.5

テオ・エルナンデス:7.0

チュアメニ:7.0

フォファナ:6.5

グリーズマン:7.0 King of the match

ウスマン:5.5

(コロ・ムアニ:6.5)

キリアン:6.5

ジルー:6.0

(テュラム:6.5)

 

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画像:2018年7月10日サンクトペテルブルク

 

前回の準決勝は現地で観戦しましたが、あの試合はカザンのアルゼンチン戦と共に事実上の決勝に近く、かなり緊張感がありました。両チームプレー強度、所謂インテンシティーの高い試合でしたし、勝った後の喜びようは選手もサポーターも凄かったです。グリーズマンとジルーは4年前のこの準決勝でも献身的にプレスをかけ、自陣ペナルティエリアまで戻るなど今と変わらないプレーぶりでした。

それを考えるとデンベレのコメントの通り、今回は明らかにチームとしての落ち着きが違いますね。

(フランス語版 スペインのスポルト紙の記事へ)

 

今回初のアラブ世界、イスラーム国家、中東の開催ということで、アフリカ勢初のベスト4を成し遂げたモロッコはいろんな期待を背負った分、後世に残る大きな名声と記録、記憶を手に入れました。今後も彼らには注目ですね!

86年のメキシコワールドカップでもパウロ・フットレのいるポルトガルを破り決勝トーナメントへアフリカ勢として初めて進出したモロッコ

皮肉にもポルトガルにとっては36年前と同じで自分たちが偉業の被害者?になってしまいました。

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苦しい状況下にいるパレスチナの人々にとっても、アラブ人としてモロッコのワールドカップでの躍進は誇らしいものだったようです。彼らもいつかワールドカップの舞台に立てますように。

 

そして私が応援しているイラク代表にもモロッコを見習って5大リーグで活躍できる選手を輩出してほしい。ムスリムやアラブ人達の夢をのせて、モロッコクロアチアとの3位決定戦に臨みます。

 

あー、もし読んでる方いたら適当な文でごめんなさい。正直連日寝不足でもう気力がない。明日はFINAL。元気になれるよう仮眠たくさん取らないと。

またワールドカップ終わったら試合見返します。